2022年　第6回フォトコンテスト神奈川

コンテスト主催：	全日本写連連盟神奈川県本部・朝日新聞社
後援：	神奈川県・（公社）神奈川県観光協会
協賛：	(株)アスカネット、(株)イーストウエスト（株）ケンコー・トキナーサカモトフォト、サンディスク(株) ダイヤミック(株)、ハクバ写真産業(株) 富士フイルムイメージングシステムズ（株）
審査員：	写真家　「藤村大介」氏
写真展：	会期：2022年6月9日(木)～6月14日(火) 　　　10:00～17:00　(初日13：00～　最終日16：00迄) 会場：横浜新都市ビル（そごう横浜店９階）　市民フロア　シビルプラザ

【総評】
　この度は、権威あるフォトコンテストの審査を担当させていただき、光栄でした。ありがとうございます。
コロナ禍による外出の自粛やイベントの縮小が相次ぐ中、被写体を見つけることも困難な状況でしたが、皆様それぞれ工夫や知恵を出しての撮影は、今だからこその作品作りになったのではないかと思います。
　各賞の受賞作品はどれも素晴らしいアイデアと技術のもとに撮影されており、それが偶然ではなく必然的に撮影されているのは容易に見て取れます。偶然に傑作が誕生することもありますが、良い作品は計算や豊かな想像力によるところが大きいと私は考えています。
　私が審査において重要視する点は、作品から何が読み取れるか？という事です。土着の文化や歴史、生活、感情、そのような内面が作品から感じられるかどうか、これは単に「綺麗」や「珍しい現象」だけではなく「感動的」な作品として見る人の心を動かせるかどうかという事であり、非常に重要なポイントです。最優秀の「光の向こうへ」は赤くライトアップされた仏様に吸い込まれるような演出が計算されています。そこに浴衣と結えた髪という偶然が重なり、タイムスリップした感覚に陥り、文化と宗教、生活という恰好の被写体が重なりました。駆ける少女の位置も予想しながらシャッターチャンスを待ったのでしょう。ベストなタイミングで捉えられています。居酒屋のお店の中が見える情緒豊かな作品はスナップ好きには堪らない写真でしょう。親子の愛、自然の造形など、受賞作品はどれも素晴らしい作品でした。
　一つ今後の課題を挙げるとすれば、3部の創作部門。まだまだコラージュの域を脱していない作品が多く、加工技術に自己満足している作品が多々見られました。今後はいかに「アート作品」として仕上げるかが課題になるでしょう。こちらはまだ発展途上の部門かと思いますので、逆に言えば受賞するチャンスとも言えます。コラージュでもCGでもアニメーションでもない、画像処理技術を駆使した「写真のアート作品」を期待します。

藤村大介